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感想 「3月のライオン」15話・自我のカタマリ

アニメ

3月のライオン」は、現在 土曜日 23:00~ NHK総合テレビ で放送中です。

 

作者は、映画ドラマアニメ化された漫画「はちみつとクローバー」を描いた羽海野チカさんです。ふわふわしたかわいい絵柄でありながら、しんとした余韻を味わえる漫画家です。

 

3月のライオンは1クール目から視聴しています。温かい人間たちに囲まれながら交わりそうで交われない、主人公桐山零が強く生きようともがく姿が切なく愛おしいです。漫画は読んでいないのでわかりませんが、アニメをみる限りでは将棋漫画というよりは人情ものというイメージです。

 

このアニメの中で私が特に気になっているキャラクターは、桐山のライバル、二階堂晴信です。彼はお金持ちの家に生まれながら、体が弱く小さい頃はよく病院で過ごしていたような子でした。そのためか分かりませんが、いつも明るく無邪気で優しい。いつかの話で、ひなたちゃんが将棋をやってみたいと言ったとき、二階堂は楽しく学べるように自筆で絵本を描いてあげました。それをみたとき私は思いましたね。なんていい子なんだ!!!!!って。しかもひなたちゃんのことを思いやってネコのキャラクターまで作って説明しているんですよ!いいやつ、二階堂。

そんな二階堂は桐山のライバルであると同時に理解者でもあります。桐山は放っておくとどんどん人と離れていくようなところがありますが、二階堂はそれを知ってか知らずかいつでも距離を飛び越えて話しかけます。どうしてこんなに桐山のことを気にかけるのでしょうか。そんな疑問が15話で明らかになりました。

 

小さい頃から病院で過ごすことの多かった自分には盤上で強くなることだけが心を支える全てでした。そうやって同年代のみんなが外で楽しく遊びまわっているのを横目で見ながら、将棋だけに没頭を続け、なのに強くなればなるほど弱い対戦相手が全て努力を放棄した卑怯者に見えて悔しくて腹が立ってイライラして。

そんな自我の塊にはりはてていた時、僕は桐山に会って頭をかち割られて、救われたんです。俺より強いやつがいる、俺より努力した人間がいる。俺は1人ぼっちじゃないんだって。

 

努力して強くなったのに、そのことで生まれる感情に嫌になってしまう二階堂。本当は人との繋がりが欲しかったはずなのに、生まれた感情は自分からその繋がりを断つようなものだったのです。それに気が付いた二階堂は、自分の望む人間関係が構築できないからイライラします。そんなときに現れた桐山と対局し敗れたことで人との繋がりを思い出すのです。桐山は二階堂を自分勝手な人間から呼び戻してくれた存在だったのです。

 

二階堂はひたすらに人間が好きなのだと感じました。好きだからこそ苦しみ悩む。決してあきらめない。そういう人間関係におけるガッツさが私にはあまりないのでいいなーと思いました。桐山もいつか二階堂の優しさと懐の深さに救われるといいね。